サーペ、キャリスタスHyphessobrycon eques (Steindachner, 1882)

  • 記載

    Steindachner, F. 1882 Beiträge zur Kenntniss der Flussfische Südamerika's (IV). Anzeiger der Kaiserlichen Akademie der Wissenschaften in Wien, Mathematisch-Naturwissenschaftlichen Klasse v. 19 (no. 19): 175-180.

  • 分類

    カラシン目 カラシン科 カラシン亜科

  • 原産地域

    南アメリカ、ブラジル

  • 原産地

    アルゼンチン, パラ州, パラグアイ, アマゾナス州, ウルグアイ, マト・グロッソ・ド・スル州, サン・パウロ州, パラナ州, サンタ・カタリーナ州, リオグランデ・ド・スル州

  • 成魚サイズ

    4cm

  • 流通名

    キャリスタス, サーペ

在庫情報

2020.07.05更新

  • 1尾

    150円

  • 3尾

    330円

  • 5尾

    500円

カラシン類。

最も良く知られたカラシンの一種。
黒い縁取りの鰭と赤い体色を持つ本種は、50年以上前からアクアリストに親しまれてきました。
現在では多くが東南アジアなどでブリードされ日本にやってきます。
丈夫で飼い易い種類です。

1尾¥130、3尾¥330、5尾以上1尾¥100.

送料:基本はヤマト宅急便にて発送。東京からおおよその規定料金¥980~とします。
同梱も可能。

配送:東京荒川区の店舗から往復30分内外の地域へ配送致します。
料金は一律¥900です。内容は生体、器具などです。
配送時間はご相談ください。
メリットは生体が当日着きますのでダメージがありません。
発泡スチロールなどのごみが出ません。
宅急便より割安です。まとめ買いは非常にお得。

注意:お受け取り日時の指定が無い場合、即日発送、もしくはこちらの都合で発送致します。
お受け取り日時は、都合により変更になることがありますので、
悪しからず、ご了承ください。
店頭での販売は、即決価格になります。

詳細説明

  • 採集された野生個体
    採集された野生個体
  • 採集場所、乾季のパラナ川河川敷。現在はダムにより湖底に沈み、この風景は2度と見られない。
    採集場所、乾季のパラナ川河川敷。現在はダムにより湖底に沈み、この風景は2度と見られない。
  • 河川敷に開いた深い穴。雨季にはこの上部まで水に満たされ、魚が本流から入り込む。
    河川敷に開いた深い穴。雨季にはこの上部まで水に満たされ、魚が本流から入り込む。
  • 本種が採集された穴の底
    本種が採集された穴の底

商品名の問題
本種ほど名前の統一されていない種類も珍しい。
以前から書籍によって色々な名前が書かれており、どれが正しいのか分からずじまいであった。
最も親しまれた名前はキャリスタスであるが、サーペと書かれている書籍もある。
現在でも観賞魚業界ではサーペの名称を使用している事がある。
専門に魚類学を学ぶ以前は、写真を見比べどう見ても同種であるのに名前が別なので、調べる方としては困惑した。
現在では一応の結論が出ているようなので、ここではそれを紹介した。
正式な学名はヒフェッソブリコン・エクエス Hyphessobrycon eques である。キャリスタス callistus でもサーペ serpae でもない。
これらの種名はシノニム(異名同種=同物異名)とされ、本種の学名として認められない。
種名だけでなく、属名も新種記載から100年余りの間に二転三転していてケイロドン Cheirodon、メガランホダス Megalamphodus、テトラゴノプテルス Tetragonopterus、ヘミグラームス Hemigrammus、ヒフェッソブリコンと5種類も変えて記載されている。
キャリスタス・キャリスタスと表記された時期もあったが、キャリスタスと言う属名は存在しない。
ネットを調べて分かったのだが、前のキャリスタスは属名ではなく種名で、後ろのキャリスタスは亜種名であることが判明した。
驚いたことに種名を属名と同じに書いて商品名にしていたのである。
これで、本種についての名前の謎がようやく理解できた。
以上見て来た様に、その時々で学名を根拠なく商品名に使用してきたことが、本種の名前が書籍によりばらばらな原因であることが分かった。
商品名に学名を利用している限り、既に使用されていない学名を商品名につけ、混乱させてしまう事が賢いとは言えないが、なかなか良い解決策が見つからない。
学名に準拠した商品名を付けるなら、エクエステトラとでも呼ぶべきである。
分布と生態
本種はラプラタ河水系に分布するだけでなく、アマゾン河水系にも生息している。
分布の中心はラプラタ河水系だが、アマゾン河でも採集されており、それも本流にほど近い所での記録なので、本当に同種かどうか疑問が湧く。
形態学的に近似でも、遺伝的な変異がどこまで進んでいるのか詳細な調査が必要に思える。
ラプラタ河水系は、冬季雪の降ることもあり、水温はかなり低くなることが予想される。おそらく20℃を下回ることも珍しくないだろう。
一方、アマゾン河水系では、本流近くで採集されており、こちらは比較的暖かな25℃以上の水温であることが一般である。
従って、本種の適応能力は水温や水質においてもかなり広いと思われる。
ブラジル調査を始めてパラナ川(ラプラタ水系)で最初に採集した魚種が本種であった。
レンガを作る土を採取するために掘られた川岸の深い穴の底に、僅かに残った泥水の中に、本種が生きていて驚いたことがある。
雨季に溜まった水が数か月で蒸発し、また放牧されている牛に飲まれて減少していった結果であるが、それにしても日中は30℃以上に成るであろう穴の中に何か月も生きていた訳であるから、相当強靭な体力の持ち主である。
こういった現地での経験により「熱帯魚は弱い」と言う概念が根本から覆された。