熱帯魚図鑑

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参考図書

  • Aquaien Atlas 1-5

    Aquaien Atlas 1-5

    • 著者:Hans A. Baebsch. Dr.Gero W.Fischer. Mergus Verlag GmbH.
    • 刊行年:1977-1997
    • 各1100頁以上.
    • ドイツ語版,英語版

    おそらく、現在出版されている熱帯魚関係の書籍のなかで、最も多くのカラー写真を掲載している淡水魚辞典。1~5巻までの各巻が、全て1000頁を超える。
    1~3巻までは、英語版も出版されているが、それ以降はドイツ語版のみとなっており、翻訳の待たれるところである。
    ハードカバーのみ。

  • Aquaien Atlas Foto Index

    Aquaien Atlas Foto Index

    • 著者:Hans A. Baebsch. Dr.Gero W. Fischer. Mergus Verlag GmbH.
    • 刊行年:1998
    • pp.1215 Germany.
    • ドイツ語版

    上記アトラスの目次本?である。ただし普通の目次ではない。
    1~5巻までに掲載された全ての写真をそのまま縮小し一冊にまとめてあるのである。写真の下には、何巻の何ページに詳しい内容が書かれているかを示す数字があるので、より詳しい内容が知りたければ、その巻を当たれば良いわけである。
    ただし、内容は上記のように英語かドイツ語であるので、一般の方には不向きだろう。ただ写真でおよそのことは分かるし(生息地、水質データなども表記してある)、学名を探るには便利である。4600カラー写真というから、凄まじい分量である。
    おそらく、現在出版されている図鑑類の中では、最もカラー写真が多い図鑑である。世界中の淡水魚を網羅しているため、色々な種類を調べるときにも便利である。 コリドラスに関して言うと、残念ながら多少学名の誤りがあり、鵜呑みにするのは危険である。1冊ぐらい置いておいても、けして損の無い書籍と言える。

  • Corydoras

    Corydoras

    • 著者:Werner Seuβ. Dahne Verlag.
    • 刊行年:1993
    • pp.281+地図
    • Germany. 英語版.

    コリドラスの図鑑としては、最も装丁のしっかりしている書籍。
    図鑑としての体裁を整えていて調べやすい。ただし、図鑑の命ともいえる正確さには今一歩というところである。写真の無いものについてはイラストが描かれているが、どれもお粗末。アマチュアのお絵かき程度である。それも別種に同じイラストを付けているなど、いいかげんさもある。それらに目をつむれば、種ごとの個別データ、生息地、南米での分布図などがあり便利。
    他の書籍では載っていない種の写真(シュタインダクネリーなど)の本物が掲載されている。一見の価値あり。価格は以前までかなり高価だったが現在では下がり¥7000位である。
    蛇足だが、以前フェア・ウインド出版の出したアクアマガジン第17号 CORYDORAS THE ALL はこの図鑑を似せたものである。

  • All Corydoras. Aqualog

    All Corydoras. Aqualog

    • 発行元:A.C.S.Glaser
    • ドイツ語版

    グレイサーというドイツの輸出業者の出した写真カタログである。
    全ての写真に番号が振ってあり、業者が注文の種類を間違えないよう工夫してある。さすがはドイツ人、お節介なことである。
    今までに輸入されたほとんどの種もしくは個体変異も含めカラー写真で載っていて楽しい。ハイブリッドも掲載されている。種名の間違えは相変わらず。ロングノーズアルクアータスがナルキススになっていることは、ドイツでは常識であるらしい。
    最後の方のページには写真を追加できるようになっていて、新しい種類をシール(サプリメントシール)として貼り付けられる。現在4ページ分が頒布されている。これではおそらく、ページのほうが不足になるだろうが。
    読むところはほとんど無い。データ類は記号で解説してある。これには日本語訳が付いている。価格は幾分高め。¥4000位である。

  • Ornamental Aquarium Fish of India

    Ornamental Aquarium Fish of India

    • 著者:Kichri Lal Tekriwal and Andrew Arunava Rao
    • 刊行年:1999
    • 発行元:Kingdon Books. pp.144
    • England. 英語版.

    インドの魚類に興味のある方は少ないとは思うが、この周辺諸国から出版された本としてはまともな部類に属するのではないだろうか。種類は多くないが、カラー写真での紹介は有難い。
    古い文献はいくつかあるが、カラーのものは極めて少なく、大いに歓迎したい。査定に関する信信憑性は筆者ではコメントできないので悪しからず。価格¥7000位。

  • アクアマガジン第33号 コリドラス

    アクアマガジン第33号 コリドラス

    • 発行元:フェアウインド
    • pp.149

    前回の17号と比較すると格段によくなった。
    以前のものがパクリだとすれば、本誌はオリジナルと認めてよい。写真の質も良くなっている。種類もかなりの数を網羅している。解説にまとまりの無いのは致し方ないが、入荷の話など、変化してしまうどうでも良い内容は必要ないだろう。
    観察を客観的に表現するにはより深く生物を知らなければならない。それができないとつまらないことを書いて原稿用紙を埋めるしかないのである。分かりやすく解説するのはそれ以上に難しい。内容は一応図鑑のように書かれているが、近縁種との比較など、肝心なことが書いてないのは残念である。
    種の誤査定は相変わらずだが、そう多くは無い。目次が無いのは不完全であり不親切。せっかく良くできているのに、残念である。価格¥1500。

  • Die faszinierende Welt der CORYDORAS

    Die faszinierende Welt der CORYDORAS

    • 著者:Werner Seuss Landbudh-verlag GmbH, Hannover
    • 刊行年:1997
    • Pflege・Erfahrungen・Zucht
    • ドイツ語版

    比較的新しいコリドラスの図鑑である。 著者のウェルナー・ゾイスは、以前にも同様の図鑑(上記に紹介してある、通称青本)を表している。
    今回の本書は、バインダーになっており、おそらくは今後増えるであろうコリドラス属魚種をファイルするための利便を図ったのもであろう。確かに、バインダーはそのために便利ではあるが、ページがややもすると破けたりするため、あまり保存性はよくない。サイズはB5変形版だから、書棚にも乗りにくい。
    各ページ(1ページ1種類)には、生息地のカラー地図とカラー写真、見間違えやすい種類の白黒の図版が載っている。これは似た種類(ただ模様が似ているような種)と比較するために載せてあるのだと思うが、詳しい解説が無いので、分かりづらいかもしれない。
    問題は査定の正確さだが、以前の青本と同様、かなりの誤りと、不正確な白黒図版が添えてあるため、鵜呑みにするのは危険である。そういう意味では少しもよくなってはいない。いかにも分かりやすい図鑑をイメージしているが、中身がさしてあるわけではない。種に関する、より詳しい解説が欲しいところだが、1種類1ページの原則を守れば、この程度の物しかできないだろう。
    この本の価値と言えば、他では見られない写真が掲載されているところだ。C. boesemeni ボイセマニーのカラー写真は、それまで掲載されたことは無かったが、本書のそれは、本物であると思われる。
    また、最近になって記載されたいくつかの種類 C. crimmeni, C. kanei(本書のスペルは canai となっており誤り)C. areio(フマッサ), C. spectabilis (テールスポットハラルドシュルツィー)のカラー写真が載っている。金銭的に余裕があれば、買ってみるのも良いかもしれない。¥7900

  • CORYDORAS(コリドラス)Tropical Fish Collection 1 CORYDORAS(コリドラス)Tropical Fish Collection 1

    CORYDORAS(コリドラス)Tropical Fish Collection 1

    • 著者:後藤 正生
    • 刊行年:1994, 第4刷1999
    • 発行元:(株)ピーシーズ
    • 132pp


    日本で発行された最初のコリドラスの単行本である。 トロピカル・フィッシュ・コレクションの第1冊目として発売された。
    プロカメラマン集団であるピーシーズの制作だけに、カラー写真はきれいで、種の特徴をよく表しているし、レイアウトも見やすい。写真集としては結構な出来だと思う。
    しかし、このシリーズの本来の目的からすれば、写真集ではなく、図鑑としての役割が求められる。読者は、この本を写真集として購入する訳ではないだろう。
    当然図鑑としての内容が期待されるが、残念ながら内容があるとはとても言えない。写真の方はともかく、種ごとの解説は、統一性が無く、内容も不正確、類似種との比較解説も少なく、あっても思いつきのような説明ばかりである。種類の査定も明らかな誤りが散見される。マニアの著者に、それ以上のことを期待することが、そもそも無理なのであろう。しかし、出版されれば儲かるのは御本人達であろうから結構なことだが、それを信じ、迷う読者はいい被害者である。
    ピーシーズのこのシリーズは、多くがこのレヴェルであり、全面的に信用に足る物はほとんど無い。確かに、日本で熱帯魚に関してしっかりした出版物を出すことは大変ではある。しかし、一般の人から金をもらい飯を食うつもりなら、多少の覚悟は必要だろう。研究機関の専門家の協力も仰がず、手前勝手な本を出版したのが、本書であろう。こういったことの弊害が、今の日本のアクアリストの中には満ちあふれている。
    1999年に第4刷が出版されたが、後半に新着の魚を加えただけで、本として手を加えたわけではない。残念ながら、コリドラスに関して日本語で書かれた単行本は、今のところ本書しかない。洋書と違い文章を読めるため、なおさら始末が悪い。¥2800

  • Cichlid fishes of the Amazon River drainage of Peru

    Cichlid fishes of the Amazon River drainage of Peru

    • 著者:S.O. Kullander
    • 刊行年:1986
    • Swedish Museum of Natural History
    • stockholm, Sweden

    ペルーのアマゾン流域に生息するシクリッド類の論文である。
    多くのシクリッド関係の論文に引用されながら、国内で入手する事は出来なかった。仕方が無いのでスウェーデンの自然史博物館にまで手紙を書いて入手した一冊である。まだ残部があったので送ってくれたのである。
    これに紹介されたシクリッドは4新属、18種類にも上る。ブジュルクイナ、タフアンティンスヨーア、ヒプセレカラ、ラエタカラなどは、全てこの本で新属として記載されたものなのである。アマチュアに人気の高いアピストグラムマも、クルツイー、ウルテアガイ、ユルエンシス、パヤミノミスが新種として記載されている。
    アピストを語るとき、この書籍を読まずして正確なことなど言えないのである。近頃、アピストに関して色々な雑音を聞くが、その発信者は恐らくこの書籍を調べてなどいないだろう。ただの想像で物を言っているに過ぎない。私としては、細かいコメントをする時間も経験も無いのでほってあるが、何かと五月蝿い事である。

  • CHARACOIDS of the world CHARACOIDS of the world

    CHARACOIDS of the world

    • 著者:J.Gery
    • 刊行年:1977
    • 発行元:T.F.H.Publication,Inc.Ltd. U.S.A.

    カラコイズとは、カラシン亜目魚類の総称である。
    カラシン類の分類は、研究者によりまちまちで、著者のジェリーはカラシンという語を、亜目という分類体型に据えている。この本の題名は、既に、彼のカラシン類に関する考え方を表しているのである。
    しかし、現在では、この考え方はどちらかといえば少数派に属する。カラシンは既に亜目から目に格上げされ、論議される事が多いからである。 この本は、カラシン類についてアマチュアが手に入れることのできた、本格的な総説である。大変便利な本で、種類を調べるときには大変役に立つ。もちろん論文が読める人でなければ役には立たない。
    ただカラー写真も載っているのでそれを手立てに見当をつけることもできない事は無い。しかし残念ながらそれがこの手の本の落とし穴で、内容と写真が一致しているとは限らないのである。既にいくつかは誤った写真を掲載している。T.F.H.という出版社は、こういうズルをしばしばやらかす。内容を読まなければ正確なことは分からないのである。
    ちなみに、珍カラの代表であったコペランディーは、この本にも載っているが、写真はいわゆる日本のアクアリューム書籍で紹介されているコペランディーとは全く別の種類である。解説を読んだところでは、写真とほぼ一致する。それでもまだ正しいとは言えないが、少なくともジェリーの考えを支持するなら、本当のコペランディー(写真の種)はいわゆる一般に信じられているコペランディーとは全く別物であると言える。 こんなに便利な本だが、現在絶版で、古本以外では入手不可能である。

  • rasbora

    • A revision of the Indo-Malayan Fresh-Water Fish Genus Rasbora, with color photographs
    • 著者:Dr. M. R. brittan
    • T.F.H.Publications, Inc. U.S.A.

    この本は元々、マニラの科学技術研究所から発行されたものである。
    1954年にコイ科魚類ラスボラ属の総説として出版された。その時はwithからの題名は付いていなかった。東南アジアのコイ科魚類ラスボラ属を研究するに当たって、これに当たらなくては話しにならない重要な文献である。
    これを、T.F.H.がカラー写真を付け足し出版したものである。であるから、カラー写真と中身とが全て一致するとは限らないと思われる。その点は心配であるが、手に入りにくい書籍を、一般向けの出版社が買い取り販売する事は結構なことであると思う。
    研究論文であるので、字がほとんどであり、中身を読まなくては意味が無い。現在ではかなり研究が進んでおり、学名などは使用できないものもある。しかし、このグループの研究の歴史を見れば、重要な一冊であることに変わりは無い。

  • 爬虫・両生類情報誌 隔月刊 クリーパー

    爬虫・両生類情報誌 隔月刊 クリーパー

    • 発行元:クリーパー社
    • 定価:950円

    現在発行されているアクアリューム関係の雑誌類の中で、最も信頼のできる雑誌である。
    信頼は、雑誌の名前ではなく、本来、原稿を書く筆者によって作られるものである事を考えると、この雑誌は信頼できる研究者により執筆されている事が大きなウエイトを占めている。
    飼育記事に関しても、ただのマニアの記事ではなく、それなりに学力のある飼育者により書かれている。これは、文章を読めば分かる事だが、何より具体的証拠(データ、その他)の裏づけにより、書かれている事でも察しが着く。
    本来、アマチュア向けの雑誌であっても、執筆は専門家が書くのが当然と考えているが、現在のアクアリューム雑誌を見ると、とても書くにふさわしくない筆者ばかりが目立っているようである。 その中にあって、「クリーパー」は小さいながらも、一際目立った存在であると思う。

  • The Aquarist's Encyclopaedia

    The Aquarist's Encyclopaedia

    • 著者:Gunther Sterba
    • 刊行年:1983
    • 発行元:Blandford Books Ltd. U.K.

    もともとこの分厚い事典は、1978年ドイツで発行されたの物である。
    とにかく便利な書籍で、ちょっとした疑問なら、ほとんどのものに答えてくれる。 分類に限らず、アクアリューム作成に関するヒントを与えてくれる。
    内容は多少古く、日進月歩の分類学から考えれば、そのまま鵜呑みにすることは危険であるが、目安をつけるには便利である。動物だけでなく植物(水草)についての解説もある。
    とにかく当たりをつけるには便利な書籍である。 現在では、古本でしか入手できないが、比較的手に入れやすい。

  • RAINBOWFISHES of Australia and Papua New Guinea

    RAINBOWFISHES of Australia and Papua New Guinea

    • 著者:G.R. Allen and N.j. Cross
    • 刊行年:1982
    • 発行元:T.F.H.Publications,Inc.

    オーストラリアを代表する魚類分類学者アレンの表した、オーストラリアとパプアニューギニアに生息するレインボウフィッシュの総説である。
    代表するメラノタエニア属だけでなく、プセウドムギル、グロソレピスなど、他属についても細かく解説されている。
    ほとんどの種が、美しい生時の写真で紹介されており、生体を査定する際に大変便利である。生息地の写真も合わせて掲載されており、フィールドの様子を知るのにも役立つ。
    これからの図鑑を象徴するような出来に成っている。もちろん、研究者であるアレンが著者であるから信頼できるのであって、写真ばかりが目立ち中身の無い、日本の熱帯魚図鑑とは次元の違うものである。 この本では、メラノタエニア・エアカネンシスが、新種記載されている。

  • BIOLOGY and MANAGEMENT

    • 著者:J.R.Merrick and G.E.Schmida
    • 刊行年:1984
    • Jhon R.Merrick School of Biological Sciences
    • Macquarie University North Ryde, N.S.W. 2113 Australia

    オーストラリアの淡水魚類、生物学と管理オーストラリアに生息する、淡水魚類の大体を網羅した図鑑。
    ヤツメウナギに始まり、カレイ類まで解説されている。
    観賞魚として輸入されているバラムンディー2種の繁殖生息地の写真、レインボーフィッシュ類や、日本ではあまり紹介されていないハーディーヘッド類のカラー写真も掲載されていて役に立つ。
    移入種のサケマス類やコイ類、カダヤシ類、シクリッド類の説明もある。 分布、生息地の環境なども解説してある本格的な図鑑。
    日本では滅多にお目にかかれないコモリウオ Kurtusのカラー写真も載っている。

  • フィッシュマガジン 1995年1月号

    フィッシュマガジン 1995年1月号

    • 刊行:1995年1月号
    • 発行元:緑書房


    ご存知フィッシュマガジンの1995年1月号である。 なぜこの雑誌を上げたのかと言えば、とにかくそれまでの日本で紹介されたコリドラス関係の書籍の中で、最も多くの種類を紹介し、さらにそれまで日本に輸入されたほとんどすべての種類(雑種を含む)を網羅し、紹介しているからである。
    1995年以前に入荷した種類のほとんどは、ここにカラーで紹介してある。とにかく便利な号である。さらに種ごとの解説にほとんど誤りが無い。現在のマガジン(現在は休刊)とは大違いである。
    残念ながら、この号の残部は無いし、再販の予定も、写真集の予定も無いらしい。

  • 水中楽園

    水中楽園

    • 著者:JIMMY・A・及川
    • 刊行年:1993
    • 発行元:ぶんか社

    著者や編集者が変わると、本がこれほど雰囲気を変えるかと思うような一冊である。
    特別紹介してもしょうがないような本だが、私の採集したコリ・ゴッセイが、カラーで世界で初めて?載った本であるので、あえて紹介した。(バカバカしい!)
    この本の存在を知っている人など、ほとんどいないと思われるし、持っている人は更に少ないだろう。こんなもんもあるという見本のような本。
    読み物としては、結構面白い面もあるけれども、買ってまで読む必要があるかは疑問。

  • NATURALISTS'GUIDE to Fresh-Water AQUARIUM FISH

    NATURALISTS'GUIDE to Fresh-Water AQUARIUM FISH

    • 著者:J.J. HOEDEMAN
    • 刊行年:1975
    • 発行元:Sterling Publishing Co., Inc., New York.

    とにかく分厚い淡水魚図鑑である。1152頁もある。著者のホーデマンは、著名な魚類学者で、熱帯魚の記載に多くの業績がある。
    研究者らしく、系統進化、分布、解剖、生理、生活史、生態など、生物学に関わる事柄にまず、頁が割かれている。大部分は図鑑としての解説とカラー写真が占める。多少古いため、学名は現在使用されていないものが散見される。種群によっては、かなり細かな解説や図があり、参考になる。
    外国の文献類の中にかなり多くの引用があるため、是非手に入れたい一冊であったが、入手は難しかった。数年かってようやくイギリスの古書店から入手できた。

  • 熱帯魚繁殖の実際

    熱帯魚繁殖の実際

    • 監修・岡田 要
    • 刊行年:1969
    • 発行元:緑書房


    熱帯魚研究で著名な東博司氏の代表的著作である。この本の製作に、繁殖写真の提供という形で、私も関わった経緯があるので多少その事を含め解説する。
    計画から出版まで3年も要した。アジアアロワナの繁殖の解説を載せるために、待ったともいえる。そのかいあって、繁殖に成功し、無事解説を掲載する事が出来たのは幸いであった。日本で最大の淡水魚繁殖解説書としての価値はあると思うが、内容を絞り込む事にいささか無理があるようにも感じられる。
    解説は平易だが、箇条書き的にデータを提示すれば、より分かりやすかったのではないかと思う。東氏自身データの事に触れているが、他の書籍との違いを強調し信頼を得るならば、科学的な証拠を提示する事は当然の事だったと思われる。それをしなかったのは、この本製作の、大きな誤りであったと私は考えている。その意味で、東氏の実力を十分発揮しているとは言い難い編集内容になってしまったと思う。
    確かに書籍は販売という目的から、一般読者にも読みやすくなければならないという宿命はあるが、それはレイアウトなど、別の側面で補うべきであったと思う。現に、この本の編集は、けして読みやすくは出来ていない。できるだけ多くの種類を載せたいという希望と、制作費とのジレンマが、この様な編集スタイルを生み出してしまったと言えなくも無い。
    蛇足だが、当初、この本の出版は東博司氏、桜井淳史氏、坂本陽平氏、私の4人で行われていたし、それで完成するものと思っていた。しかし、出来上がった本誌をみて驚いたのは、他に2人のカメラマンが、名前を連ねていた事である 。
    聞けば、いくつかの品種の写真を借用しただけだと言う。そのような事なら、謝辞でも十分だと思うのだが。

  • 熱帯魚繁殖の実際

    熱帯魚繁殖の実際

    • 監修・岡田 要
    • 刊行年:1969
    • 発行元:緑書房


    この本の存在を知っている人がいるとすれば、すでにかなりのベテランになっている事と思う。
    33年も前に出版されたにもかかわらず、その意味と重要性は衰えるばかりか、益々際立ってくるようである。
    今の出版物の内容を考えると、この頃のレヴェルの高さが、懐かしくさえある。執筆陣も熱帯魚の飼育に関してはプロと思える、日本を代表する人たちが執筆している。
    167種もの種類の繁殖法が紹介されており、、詳しい解説はデータに裏付けられ、分かりやすく信用に足るものである(多少の例外あり。ジャイアントグラミーの繁殖を参照)。写真のレヴェルは、その当時としては高いが、現在のものと比べるといかにも古くさい。けして綺麗とは言えないが、重要な意味を持つ写真が掲載されている。美しい写真で客を引き、中身の無い現代のアクアリューム書籍と比べ、中身の濃い、内容で勝負の書籍と言える。
    当時中学生であった私は、座右の書として熟読したものである。 今こそ、この様な書籍が必要とされると思うが、残念ながら、再販も改訂版の予定もないようである。

  • The Freshwater Fishes of the Kruger National Park

    The Freshwater Fishes of the Kruger National Park

    • 著者:U.de V.Pienaar
    • 刊行年:1978
    • National Parks Board of South Africa

    クルーガー国立公園は、ジンバブエとモザンビークに広がる広大な自然公園である。
    アフリカの淡水魚類についての解説書は、あまり出版されておらず、小冊子ながら参考になる。 生息する魚類の種類、分布、生態に付いて、比較的詳しく解説してある。
    挙げてある種類のほとんどについて、カラー写真で紹介し、中には水槽内での写真もあり、生時の色彩を見る事ができる。 48種類が載っているが、特にコイ科魚類が多いようである。サメが、ここの淡水域にやって来ることは、以外に知られていないようである。

  • A TAXONOMICAL STUDY OF THE GENUS APISTOGRAMMA REGAN, WITH A REVISION OF BRAZILIAN AND PERUVIAN SPECIES (TELEOSTEI: PERCOIDEI: CICHLIDAE)

    A TAXONOMICAL STUDY OF THE GENUS APISTOGRAMMA REGAN, WITH A REVISION OF BRAZILIAN AND PERUVIAN SPECIES (TELEOSTEI: PERCOIDEI: CICHLIDAE)

    • 著者:S.O.KULLANDER
    • 刊行年:1980
    • BONNER ZOOLOGISCHE MONOGRAPHIEN, Nr.14 BONN

    アピストグラムマを学術的に正しく知りたいならば、必ず読まなければならない論文。
    この書籍を参考にせずして、アピストの事は一切語れない。それほど重要であり、読むことが当然の論文である。
    以前、この文献を参考文献として挙げながら、内容を全く理解せず、誤りを堂々とアクアライフに書いていたカメラマンなどもいたようだ。洋書や論文を参考図書として挙げて読者に信用させ、適当な事を書き散らす輩は、昔からいたが、近頃は益々ひどくなっているようである。
    アピストグラムマの分類の歴史、詳しいシノニムリスト、外部形態の解説、それを基にしたブラジルとペルーに生息する18種類のアピストの詳しい解説がされている。写真は白黒で、出来は極端に悪い。クランダーはほんとに写真が下手である。何とかして欲しい。
    一時は、日本にも出回っていた文献であるので、持っているアマチュアもいるかもしれない。是非、読んで欲しい。

  • IOPニュース 伊豆海洋公園通信

    IOPニュース 伊豆海洋公園通信

    • 発行元:益田海洋プロダクション


    海水魚の好きな人、海洋生物の好きな人なら、ぜひ読んでいただきたい小冊子である。 わずか8ページの内容だが、オリジナルデータによる生物の記載が中心である。
    従って、文献としての価値を持つ。文献を読む機会の少ないアマチュアにとっても勉強になる一冊である。筆者は、ほとんどが研究者であるので、内容はしっかりしており、信用に足る。カラー写真を多用し、生時の写真と、標本写真を共に載せてあるので、比較をするのにも便利である。
    生物の記載は、過去には、色彩のない標本で行うのが一般的であったが、現在では生時の色彩も重要な情報であると認識され、カラー写真による記載がより多く行われるようになっている。 その意味でも、生体写真を常に掲載している本誌の試みは、新しい。
    また、ニュースの名称のごとく、最新の情報を提供しており、他の研究誌や単行本と比較して、いち早く情報を入手することができる。
    月刊で1冊¥322 は有り難い。年間購読料は、送料消費税込みで¥3864 。 連絡先 0557-51-1129 益田海洋プロダクションまで。 既に10年以上の歴史があり、全てではないが、バックナンバーの用意もある。
    この雑誌は残念ながら現在廃刊に成っています。

  • 動物と動物園

    動物と動物園

    • 発行元:(財)東京動物園協会 東京

    この雑誌は、「東京動物園友の会」の機関誌である。市販はしていない。購入には友の会会員になる必要があるが、購読料が会費である。
    優しい印象の表紙からは、この雑誌の本当の意味を理解することは出来ないかもしれない。なぜなら、この中に書かれている内容は、動物園や水族館、インセクタリュウームで日常に起きている事柄について、そこで働く職員が、実際観察し研究した内容が書かれているからである。
    要するに、アクアリューム雑誌などのような解説書ではない。レポートであり、簡単な研究論文なのである。アマチュアが入手できる情報としては、少し異色な雑誌である。もちろん解説もあるので、知識を入れるにも良い。
    本来、アクアリューム雑誌や飼育書に書かれる内容は、このような研究論文やレポートを基礎に書かれていなくてはならない。科学的実験や観察を通して初めて、その生物に関する正確な記述や解説が可能となるからである。 しかし残念なことに、日本でアマチュアが手に出来る情報というのは、このような科学的実験や観察を基礎にしていない。要するにほとんどが実体のない、思いつきの感想文のような物をまとめただけの物がほとんどである。
    少なくともマニアを自負する者なら、根拠のないアクアリューム雑誌や飼育解説書などを当てにするのでなく、この雑誌のような、レポートや論文のたぐいを情報として吸収し、自分の生物飼育の参考にする必要があるだろう。
    ただし、これを難無くこなすには、やはり多少の努力が必要となる。
    その点で、この雑誌は、研究を知る者がアマチュア向けに提供した、数少ない会誌といえる。 購読希望者の連絡先、東京動物園友の会事務局 03-3828-8235(月休)

  • 水草研究会会報

    水草研究会会報

    • 発行元:水草研究会、神戸大学国際文化学部生物学教室 角野研内


    おそらく日本で唯一の水草専門の研究会誌である。
    水草と言っても、水辺や湿地帯に生育する植物全体を研究材料として扱っている。日本での話題が中心だが、過去にはブラジルの水草についての報告もある。
    アマチュアを対象とした解説書ではなく、報告書、論文集である。掲載は研究者だけでなくアマチュアでも構わないが、研究レポートや論文が書けないと投稿しても意味はない。同様に、読者にもそれなりのレヴェルが要求される。
    こういう事実を積み重ねてようやく、水草についての色々が理解され、知られるようになるのであるが、アクアリューム業界での情報の質と比較して、いや、比較になるまい。
    入会、問い合わせは事務局まで。
    神戸大学国際文化学部生物学教室 角野研内 水草研究会
    〒657-8501 神戸市灘区鶴甲1-2-1
    Tel & Fax 078-803-5719
    E-mail:kadono@kobe-u.ac.jp