コペラ・アルノルディCopella arnoldi (Regan, 1912)

  • 記載

    Regan, C. T. 1912 (1 Oct.) L A revision of the South American characid fishes of the genera Chalceus, Pyrrhulina, Copeina, and Pogonocharax. Annals and Magazine of Natural History (Series 8) v. 10 (no. 58): 387-395.

  • 分類

    カラシン目 レビアシナ科

  • 原産地域

    ブラジル、南アメリカ

  • 原産地

    パラ州, フレンチギアナ, ガイアナ, スリナム

  • 成魚サイズ

    5cm

  • 流通名

    コペラ・アーノルディ

在庫情報

2022.07.23更新

  • 1尾

    800円

雄 成魚

カラシン類.

ジャンピングカラシンとして、有名な種類です。
魚なのに、水上に卵を産み親が水をかけて守ります。
若魚の時はぱっとしませんが、成熟した個体は、大きく発達した鰭を持ち
体色は赤みを帯びて見事です。
ぜひ大きく成長させて、繁殖に挑戦してみてください。
生物の神秘を実感出来ます。

雄のみ1尾¥800.

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料金は一律¥900です。内容は生体、器具などです。
配送時間はご相談ください。
メリットは生体が当日着きますのでダメージがありません。
発泡スチロールなどのごみが出ません。
宅急便より割安です。まとめ買いは非常にお得。

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悪しからず、ご了承ください。
店頭での販売は、即決価格になります。

詳細説明

  • 婚姻色の出た雄
    婚姻色の出た雄
  • 雌

コペラ属の分類は近年大幅に改変された。
この属のについて解説をする前提として、自然科学の基本的当たり前の考え方を確認しておく必要がある。
それは最も新しい科学的考え方が、いったんは正しいと思う必要があるということである。
具体的に言えば、最も新しく出た論文の内容が、最も正しいと考えなければならない。なぜなら、最新の論文はそれまで発表されたその分野のすべての考え方を理解したうえで書かれているはずだからである。
もしその内容が誤っていると考えるならば、さらに正しいと思う考え方を論文にして公表しなければならない。
その連続で、現在の自然科学は出来上がってきた。
なぜこのような当たり前のことを書くかといえば、本属の魚類に関して、一般の方が目にできる最も便利な魚類データベースであるフィッシュベースの内容が、この原則になぜか従っていないからである。
フィッシュベースが採用している分類は2006年にザルスケとジェリーが発表した Zur Identität von Copella nattereri (STEINDACHNER, 1876) einschließlich der Beschreibung einer neuen Art (Teleostei:Characiformes: Lebiasinidae) が基本に成っているようである。
その後、2017年にマリーニョとメネッツがㇾビアシーナ科の総説 Taxonomic review of Copella (Characiformes: Lebiasinidae) with an identification key for the species 2017 を発表した。
その内容はかなり画期的なものに成っている。もちろん、その中には2003年に出されたザルスケらの説にも触れ、これに誤同定があると説明している。
しかし不思議なことにフィッシュベースではその総説を採用していない。
なぜ最新の論文であるマリーニョとメネッツ、2017を採用していないのか、単に変更が遅れているだけなのか不明だが、いずれにせよ現在の学説とは異なったものに成ってしまっている。
プラゼール水生生物研究所としては、研究内容を踏まえ2017年に発表された本論文に従うことにする。
現在、観賞魚業界で使用されている学名やそれを書き下した商品名を大幅に変えることに成るのをご了承頂きたい。

<コペラ属とコペラ・アルノルディについて>
マリーニョとメネッツは記載された本科魚種10種の内6種 Copella arnoldi, C. callolepis, C. compta, C. eigenmanni, C. nattereri, C. vilmae が有効であるとしている。
この頁ではそれに C. nigrofasciata Meinken. 1952 を加え7種を有効とする。
フィッシュベースに載っている12種は、これら7種のシノニム(異名同種)であり、有効な魚種とは認められていない。
コペラ属魚種はカラシン類でありながら、円筒形の長細い体型と大きな鱗に覆われているところから、他のカラシン科魚類と容易に区別することができる。
また詳しい構造は割愛するが、口を構成する骨の形状などが、他のカラシン類とは異なっている。
近縁な魚種には南米に広く分布するタライラー Hoplias malabaricus やタライロン Hoplias aimara がいる。
全く外見が異なるように見えても、基本的形態自体は似通っていることが分かるだろう。
雰囲気や食性だけで違いを理解することは出来ない好例かもしれない。

コペラ・アルノルディは水上に産卵するジャンピングからシンとして有名であり、今までも多くの観察例が発表されている。
成熟したペアは胸鰭と腹鰭が著しく伸長し、これらを主に使用して水面近くの水草などの葉裏に飛び移る。ペアは並んで産卵し雄は卵を守るために、また乾燥から防ぐために下方に定位して尾鰭を使い、水を跳ね上げ続ける。
卵はゼリー状の粘着物質に覆われているため、葉裏から剝がれることなく発生を続け、仔魚となって水中へ戻る。
魚類でありながら空中に産卵するという、まさに離れ技を習得した唯一の魚種なのである。
魚類の持つ多様性とその不思議を感じざるを得ない。
以前は一般的な魚種の一つとして安価でよく輸入されていたが、なぜか近年ではほとんど輸入されなくなってしまった。
このような特殊な生態を持つ魚種は、環境の変化に最も弱く、絶滅が心配される。