道脇を流れる小川。ここでハチェットフィッシュが採集できるとは思っても見なかった。
始めは、水面をすばやく泳ぎまわる、きれいな目を持つカラシンの正体を知りたくて、しつこく追いまわした。 網の中に捕らえたのは、アロワナテトラであった。

並んで生える巨大なヤシの仲間が、ブリチである。ブリチは湿地にしか生えない。
だからこの木の生える所には、必ず水があり、小川が流れていることが多い。 そこにはカラシン、カダヤシ、アピストなどが生息している。
手前の池では、大型のパイクシクリッド、下の写真の、ジュルパリなどが生息している。

コリドラス sp. カウディマ

正体不明のコリドラス。飼育につれ、カウディマキュラータスに似た種類になったが、 シミリスのようでもあり、結局結論は出せなかった。
本個体よりさらに小形の個体も採集され、恐らく野外採集個体としては最小のものであろう。

コリドラス・ゴッセイ

恐らく、ゴッセイでは世界初のカラー写真。それまでは文献の白黒図版しか知られていなかったが、筆者のこの写真により、初めてアクアリストに紹介された。その後これをきっかけに、ロンドニア州で大変なコリドラス争奪戦が繰り広げられることになった。
今では、ポルトヴェーリョは、知らぬ人はいないほど有名な熱帯魚の集積地になったが、それまでは、ほとんど注目を集めることは無かった。アクアリューム雑誌に知ったかぶりを書き散らしている違法業者の記事の背後には、この写真があるのである。 乾季の姿は想像も出来ない。

採集されたワイルド個体。既に半数は標本にされた。
販売された世界初のゴッセイは、この中の数尾である。

ジュルパリ

上記のブリチのある池で採集されたジュルパリ。鰓蓋に多数のホワイトスポットがある個体。
輸入されるジュルパリは、鰓蓋部の模様がラインになるものが多いが、この個体は美しいスポット状をしている。

グリーンネオンダーター ウマイタにて

採集された野生個体。アクアリストにカラーで紹介されたのは、恐らく世界初だろう。
実は、この写真の数年前に、既に1個だが採集し自宅で飼育していた。 雑誌に紹介する前に、標本になってしまったため、紹介が数年遅れてしまった経緯がある。
採集時は、とても魚とは思えないような色彩をしていた。夕方の採集だったが、全身輝くばかりの黄緑色で、一瞬手が引っ込んでしまったほどである。この魚との出会いは、全く強烈なものであり、今でもそのシーンをはっきりと思い出す。